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サミュエル・ピープスの日記

Essay
02 /07 2021
2021年ももう2ヶ月目に入ってしまいましたが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
私の住む大阪は、1月14日に緊急事態宣言が発令され、当初の期限の2月7日が延長されて現在に至っています。
会いたい人に自由に会えない日々が続き、さすがにだんだん悲しくなってきました…。

そんなコロナ禍の中で、なかなかコンサートを開催するわけにもいかないので、昨年からいろいろ勉強したり、読めていなかった本を読んだりしているわけですが、今読んでいるのが「サミュエル・ピープスの日記」 (国文社)という本。
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今は1巻目の1660年を読んでいますが、1669年の第10巻まであります。

リコーダーをやっていると、このくらいの時期の音楽に出会いますよね。
ゴットフリート・フィンガーやソロモン・エクルズなど「ディヴィジョン・フルート」でおなじみの作曲家たちもこの時代。

私は歴史オンチなのでネットでこの時代についてあれこれ調べてみるのですが、そうすると必ず、この「サミュエル・ピープス/Samuel Pepys」なる人物に行き当たるのです。
詳細な(赤裸々な?)日記を長きに渡って残したということで、当時のイギリスの情勢を知る上では貴重な資料となっているのですね。
人に読まれないよう、わざわざ速記に基づく暗号を使って書いたというのに、後に解読されて日本語の翻訳本まで出るとは、ピープス氏も驚いていることでしょう…。お気の毒さまです。

第1巻の日本語訳が出たのが1987年。かなり前ですね。
現在は在庫切れの再販未定状態とのことなので、図書館で借りてきました。

第1巻の1660年という年はイギリスにとっては激動の時代だったようで、まだ半分も読んでいないのにピープスさんは目まぐるしく動き回っています。

日記が始まった頃、ピープス氏は27歳。
日記が始まる1月には使いっぱしりのような仕事しかしていなかったピープス氏。
日記の内容も、最初の方はお金のやりくりと、誰とどこで飲んだとか(しょっちゅう飲んでいるし、仕事の合間にも飲んでいる)、誰とどこで何を食べたとか(肉料理がほとんど)、来客とか音楽についての記述多め。
食事は父の家とか、わりと人の家で食べている。なんで?そして、しょっちゅうトランプしてたんですね…。

音楽については、ちょくちょくリュートやヴィオールを弾いたり、リコーダーの練習をしていますね。そして、バニスターを家に迎えるとか、プレイフォードの店で楽譜を買ったとか、ロックとパーセル(ヘンリー・パーセルの父か叔父?)が音楽の先生だとか、そんなことが書かれていて面白いです。いいなぁ、私もそこに居たい(笑)。

3月頃から動きが慌ただしくなって、3月下旬にはお仕えする殿様(エドワード・モンタギュ)とオランダ行きの船に乗っています。
このあたりからが、ピープス氏の後の出世につながる大事な出来事となってくるのでしょう。

一緒に「官僚ピープス氏の生活と意見」(岡 照雄 2013 みすず書房)を、日記の解説代わりに読んでいます。
ピープス氏の日記、まだまだ先は長いので、図書館のお世話になりながらぽつぽつ読み進めていきます。

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NAGAI Mai|長井 舞

大阪のリコーダー奏者。
または猫とコーヒーが大好きな
小型プログラマ。
黒猫チュナさんと暮らしている。

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twitter: cocomaca