リコーダー with コロナ
Recorder/リコーダー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大による緊急事態宣言が解除され、少しずつ経済活動も再開されてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
このところ、関西圏は感染者数も0~1ケタ代の日が続いており、街中の人出もかなり戻ってきています。
リコーダーファンの皆さまも、そろそろ活動を再開したいと考えておられる頃なのではないかと思いますが、学校活動においてもリコーダーは歌と並んで「感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い学習活動」であると位置づけられていることもあり、心配は尽きません。
ということで、「集まってリコーダーを吹く」「人前でリコーダーを吹く」ことの安全性と気を付けるべき点について考えてみましょう。
★ 飛沫
複数の人がいる場所で飛沫を防ぐのには「マスク」が有効ですが、リコーダーを吹くときにはマスクは着けられませんね…。
練習中には吹くだけでなく、「はい、次は3小節めから!」などの声掛けも当然行われますので、お互いに飛沫が飛ばない距離を保ちましょう。
なお、リコーダーから飛沫がどの程度発生しどの程度飛ぶのかについては、「アウロス」ブランドで知られる「トヤマ楽器」による検証結果がHPに公開されているので、そちらをご確認ください。
リコーダー演奏時の飛沫可視動画と感染症対策 (2020.05.27)
(PCで見る方は、画面を大きくしないと「飛沫」が見えないかもしれません…。)
この検証動画では、リコーダーからは大して飛沫は飛んでいませんね。
ただ実際に音楽を奏でるときには、口から息を漏らしたり、演奏している間に唾液が溜まってきたりするので、現実的にはもう少し飛ぶと予想しています。
★ エアロゾル
リコーダーに吹き込んだ息は、ウィンドウェイを始め、いろんな隙間から空気中に放出されていることが分かります。
人間の呼気からは0.1マイクロメートル(μm)以上のエアロゾルが発生することが分かっています。
リコーダーに吹き込んだ息が気流となるわけですから、この気流には当然エアロゾルが含まれていることになります。
比較的大きなエアロゾルである「飛沫」は、重いのですぐに下に落ちますが、小さなエアロゾルは下に落ちずに空中に漂います。
ブレスの時などに深く息を吸い込むと、この小さなエアロゾルを一緒に吸い込み、肺に取り込むこととなります。
今のところ、エアロゾル内に含まれる新型コロナウイルスの生存期間は良く分かっていませんが、換気の良い場所であれば、2メートル程度移動する間に乾燥して不活性化するのではないかと言われています。
ただし、エアコンによる空気の流れでエアロゾルが思わぬところに拡散される懸念もありますし、また、「密」な場所では人の呼気などで空気が湿っているためにウィルスが乾燥せず、いつまでも不活性化しないと指摘する専門家もいます。
★ まとめ

リコーダの演奏は、深呼吸を何度も繰り返しているようなものです。
特にアンサンブル練習では、何人もが集まって深い呼吸を繰り返します。
もし、この中に感染者がいたら…。
なので、こまめな換気と十分な距離(2m以上)を保つことがとても大切です。エアコンによる空気の流れにも気をつけましょう。
大勢集まってのアンサンブル練習や、人前での演奏はまだまだ難しいかもしれません。
特に、高齢者施設などへの慰問演奏は十分ご注意ください。
大切な仲間が健康で過ごせるよう、感染防止対策を十分に行なった上でリコーダーを楽しんでくださいね。